愛知産業大学三河中学校

「配りましょうか。」

「今、このノートを生徒に返さないと週末の宿題が出来なくなってしまう。」生徒が帰りのSTを終えて帰る直前、大慌てで生徒に返却する何十冊というノートを抱えて階段を上り、4階の教室へ向かいます。自分の計画性のなさ、時間の使い方の下手さに、いつもながら情けなくなります。するとちょうど教室の入り口にいた一人の女子生徒が、「先生、手伝いましょうか。」と声をかけてくれました。よほどドタバタしており同情心を抱いたのかもしれません。その生徒も習い事のためか、帰宅を急いでいる様子だったため、喉まで出ていた「ありがとう。助かるなあ。頼むね。」の言葉を飲み込み、「ありがとう。今回は先生が配るからいいよ。」という言葉に換えて、彼女のノートだけを渡しました。あとからふと冷静になって考えてみました。クラスメイトや先生など他者に向かって「~しましょうか」と声をかけられる生徒(または大人)がどれほどいるでしょうか。本人のやさしい性格とそのような人間性を育てられた保護者の方の教育方針の賜物でしょう。この宝物はぜひいつまでも大切にしてほしいと思います。こんな言葉が自然に出てくる生徒と同じ学び舎で生活できることに幸せを感じました。

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