愛知産業大学三河中学校

「先生、作りますか。」

教室後方のロッカーの上に、教材プリントを並べ、一人一枚ずつ順番に取ってホチキスで留め、課題冊子を作ります。予備で数枚余分に印刷してありますので、全員取ったあとで、それぞれのページが数枚残ります。今までの教師の行動を見て学習した生徒は「先生、作りますか。」と聞いて来ます。「ありがとう。助かるなあ。」と答えると、その生徒は黙々と作ってくれます。そして「これは欠席した~君の机の中に入れておけばいいですか。」「これは完成品のあまりです。」「これは途中数ページ抜けています」と実にテキパキとこちらが望んでいる通りのことをしてくれます。社会に出ると、他人から頼まれてやらなければいけない仕事よりも、自分から作って行う仕事の方が多いものです。「勉強(だけ)ができる人間」よりも、「進んで仕事ができる人間」の方が役立つことは間違いありません。今回手伝ってくれたような生徒を一人でも多く育てたいと思います。いつもありがとう。

消しゴムのかす

ある時、生徒が会議室でテストを受けました。テストが終了して部屋を出て行くときに、本校の生徒はほとんど全員「ありがとうございました」と言います。これはとても気持ちの良い習慣となっていますが、今回はこの話が中心ではありません。ある生徒は、テスト終了時に机の上の消しゴムのかすを手で丁寧に拾い集めていました。一方、ある生徒は自分の出した大量の消しゴムのかすには気づくことなくそのまま放置して部屋を去っていきます。この差はどこから生じるものなのでしょうか。本人の人間性によるところも少なくないとは思いますが、ご両親、親戚、近所の方、友達、先生がどこかでそのような小さくも大切なことについて教えてくれたのかもしれません。また、その方たちの礼儀正しく美しい行動に触れ真似をしているかもしれません。周囲の方々の、美しい言葉遣い、心を動かす話、模範的な振る舞いに触れることが躾の秘訣であると改めて感じます。同時に私たち大人の責任は大きいことに気づきます。

いってらっしゃい

「いってらっしゃい」「いってきます」という言葉のやりとりがしっかり行われているご家庭はどのくらいあるのでしょうか。あることがきっかけで、ふとそんなことを考えました。それは、いつも生徒の送迎をしてくださっている名鉄バスの一人の運転手さんの言動です。学校に到着し、バスから降りていく生徒一人ひとりに、マイクを通して「いってらっしゃい。」と声をかけるのです。バスの外からその光景を見ていると、運転手さんの深い愛情と、その言葉の持つ温かさを感じます。言葉は言霊、ただの言語的な意味だけではありません。家庭を中心に社会でよく使われる、「ただいま」「おかえりなさい」「いただきます」「おつかれさま」「ありがとう」などの言葉を大切にしたいと改めて思いました。名鉄の運転手の皆さん、本当にいつもありがとうございます。

居眠りから

残念ながら、授業中すぐに睡魔に襲われる生徒がいます。睡眠時間が少ないことの影響でしょう。中学生の成長期には睡眠時間は特に重要で17時間の睡眠時間が必要という説もあります。保護者の方と話をしていると、特にネットやゲームの場合、夜更かしをしているかどうか把握しにくいとのこと。多くの点で、昔は目に見えていたものが、最近では見えにくい時代でもあり複雑化しています。学校や職場など集団で生活する場では、その秩序を守るためにルールがあります。そして家庭では社会の縮図とも言われるように、お子さんの健康管理や社会性を育てるためにルールが必要です。この前の保護者講演会での講師の先生も「自制心」「タイムマネージメント」「ルール設定とその厳守」などの点について述べておられました。生活環境・学習環境の設定という点で、家庭と学校との連携・協力がますます必要となりそうです。

ノートに貼られた付箋

朝出勤すると、机の上に1冊のノートが置いてありました。見るとノートにはかわいらしい付箋がついていました。そこには、直接渡すべきであるのに机の上に置くことのお詫びと、今後宿題はきちんと提出日に間に合わせるという決意の言葉が書かれていました。そういえば、その日宿題が間に合わず、居残って仕上げて提出することになっていたのでした。提出に来たら不在で、そのまま机上に置いておくことに抵抗があったのでしょう。最近、「伝える」大切さを生徒に訴える機会がありましたが、このような工夫もあるのです。その生徒のやさしい心は確かに伝わりました。

雑用と奉仕

ある物を運ぼうとしていると、ちょうど数名の男子生徒が通りかかりました。「~君、ちょっとそっち持って。」と頼むと、その生徒は「はい。」と気持ちよく手伝ってくれました。するとそれを見ていた一人の友人が「雑用だ。」と茶化して言ったのを聞いて淋しい気持ちになりました。同じことをするのにも、人の役に立つと考えて奉仕の精神をもって取り組むのと、やらされているという気持ちで仕事の一部と考えて行うのとでは、ずいぶん違うように思います。お互いが気持よく作業ができるような心を育てるような環境作りの工夫が必要だと感じました。生徒に学ばせてもらう毎日です。

 

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